
ドローン運搬とは?導入メリット・活用事例・依頼の流れまで完全ガイド
- schedule2025年4月10日
- categoryコラム
1. はじめに:なぜいま「ドローン運搬」が注目されているのか
近年、ドローンを活用した運搬サービスが、林業・建設・インフラ・災害支援といった多様な現場で急速に実装されつつあります。これまで人力や車両、ヘリコプターによって行われてきた運搬作業に代わり、空からの効率的かつ安全な運搬手段として、大型ドローンの導入が進んでいます。
本記事では、”ドローンで何かを運ぶ”という発想から一歩進めて、「運搬作業を依頼する立場」から見た導入の考え方・進め方を解説します。機体購入や自社操縦ではなく、「現場にドローンを組み込むワークフロー」の視点を重視した内容です。
2. ドローン運搬が活用されている現場と分野
森林・林業分野
- 苗木の運搬(植林現場への荷上げ)
- 獣害対策資材(防鹿柵・ネット等)の輸送
- その他工事用資材(杭・水・ペンキなど)
建設・土木分野
- 中山間地の仮設足場・重機部品・ケーブル
- 急斜面や人力での搬入が困難な場所への荷揚げ
架線・延線工事
- 碍子・スペーサーなど鉄塔部材の運搬
- 架線準備資材の事前配置(滑車、支線用具等)
災害対応・復旧支援
- 孤立地域への物資輸送(水、食料、医薬品)
- 作業拠点への資機材供給
3. ドローン運搬が注目される理由
- 安全性の向上:人が背負って山道を何度も往復する必要がなくなり、転倒・滑落リスクを回避。
- 作業効率の向上:人が1時間かける搬送をドローンが5分で完了するなど、圧倒的な時間短縮。
- 人手不足への対応:高所作業や長距離搬送に人を割く必要がなく、省人化に貢献。
- 機動力の高さ:災害や工事の現場でも、道路整備の有無に関係なく運搬が可能。
4. ドローン運搬の一般的な導入ワークフロー(依頼の流れ)
ステップ1:ご相談
- 地形・荷物・目的地をヒアリング
- 地図・航空写真などで飛行可否の概略判断
ステップ2:飛行計画と実施体制の設計
- 必要機体の選定(例:DJI FlyCart30/XYZ55/Motte2など)
- 荷姿・積載量・ピストン回数の検討
- 操縦者・補助者の人員構成
- 概算御見積の提示
ステップ3:許認可取得と準備
- 現地下見
- 飛行計画の策定
- 国交省への飛行申請(個別申請が必要な場合)
- 地元自治体・土地所有者との調整
- 荷物の梱包、離着陸地点の整備
これらの準備項目のうち、荷物の梱包や離着陸地点の整備といった物理的な準備は、基本的にご依頼者様(クライアント)側でご対応いただく内容となります。また、飛行に必要な土地利用の許諾や関係各所との調整においても、現地事情に詳しいクライアント様のご協力が不可欠です。
ステップ4:運搬実施・レポート
- 輸送の実行(1回〜数十回にわたるピストン)
- 搬送完了報告・記録提出
5. 運搬時に求められる体制と役割分担
ドローン運搬は、現場での安全かつ効率的な実施のために、明確な体制が求められます。弊社ロジクトロンでは、以下のような構成での運用を基本としています。
- Aプロポ操縦者:主に離着陸や移動飛行を担当するメイン操縦者
- Bプロポ操縦者:荷下ろしやウインチ操作を担当する補助操縦者
- 補助者:記録、誘導、バッテリー交換などを行う支援スタッフ
さらに、クライアント側でも以下の体制をご用意いただくと、より円滑な運用が可能です:
- Bプロポ側に1名:荷下ろし地点での誘導、指示出し、道案内などを担当
- 離陸地点側に1名:荷上げ準備や物資管理を担当
これらを総合すると、最小体制は弊社側2名+クライアント側1名でも運用は可能です(ただし、推奨はされません)。理想的には、弊社側3名以上+クライアント側2名以上の体制で実施することが望ましく、安全性・効率性ともに高いレベルでの運搬が実現できます。
6. 運搬にかかる費用の目安と注意点
- 荷物の量・飛行距離・標高差・作業日数によって変動
- 1日あたり25万円以上が一般的(移動宿泊経費を除く)
- 通年での運用が見込まれる場合は、機体導入のコンサル契約も可能
6. よくある質問(FAQ)
Q1. どんな荷物でも運べますか? → 原則として、機体の積載重量・サイズ・揺れ耐性に収まるものに限られます。
Q2. 自社の現場で使えるかどうかを相談できますか? → もちろんです。航空法や地形条件、荷物の性質を踏まえた可否判断を行います。
Q3. 運搬だけでなく、機体の購入や教育も対応可能ですか? → はい。販売〜運用〜ライセンス取得まで一貫支援できます。
Q4. 予備日はどうなりますか? → 通常、天候や現地事情による延期に備えて予備日を設定します。ただし、スタッフが現地に滞在したまま待機となる場合、別途滞在費用が発生する場合があります。事前にスケジュールと費用条件をご確認ください。
7. ロジクトロンの支援体制について
当社ロジクトロンでは、ドローン運搬の請負業務だけでなく、導入を検討する企業・自治体向けに、以下のような支援を行っています。
- 運搬業務の企画・実施
- 現地調査・運用計画立案
- 国交省飛行許可承認申請(DIPS)コンサルティング
- ドローン販売・導入教育・ライセンス取得支援
まずはお気軽にお問い合わせください。
PROFILE

株式会社ロジクトロン
代表取締役 野間智行
2001年 デザイン制作会社にグラフィックデザイナーとして入社
2007年 支社立ち上げの為、上海市に赴任(上海オフィス代表)
2009年 帰国後Web制作会社ディレクターを経て2016年に個人事業開業
2018年 個人事業を法人化し株式会社ロジクトロンを設立
2020年 ドローン事業開始
2023年 一等無人航空機操縦士技能証明を取得