
2025年3月|ドローンによるパイロットロープ敷設事例
- schedule2025年4月17日
- category事例
起伏の激しい現場で、効率的かつ安全に延線を実施
2025年3月、東北地方のある送電線新設現場において、ドローンを活用したパイロットロープの延線作業が行われました。
本記事では、3径間にわたるドローン延線のオペレーションとその導入背景、成果について解説します。
📺 動画による作業ダイジェストはこちら
現場の概要と目的
今回の現場は、起伏のある山間地に新設された工業団地向け送電支線の架設工事です。新たに設置された4基の鉄塔をつなぐ工程において、弊社はパイロットロープの延線を担当。精密性が求められる工程を、ドローンによる空中延線で対応しました。
なぜドローン延線か?従来手法との比較
従来、延線にはヘリコプターや地上施工が用いられてきましたが、以下のような課題がありました:
- ヘリ使用の課題:費用が非常に高額/天候による不確実性/日程調整が困難
- 地上施工の課題:急斜面・藪地などでの作業が危険/作業ルートの確保が困難
こうした背景のもと、大型ドローンによる延線は、費用・安全・機動性の面で優れた選択肢となっています。
ドローン導入の工夫とアプローチ
かつては、ペットボトルロケットや小型ドローンを用いたPEライン延線が主流でしたが、 この方法は工程数が多く効率が悪いという課題がありました。
弊社では、十分な強度と軽さを両立した2.5mmロープをドローンで直接延線し、 そのまま10mmロープへ換装可能なスキームを構築。作業ステップの短縮と現場負荷の軽減を実現しています。
現場での運用体制と作業の流れ
上図は、延線ルートとオペレーション体制のイメージです。地形に応じてAプロポからBプロポへ操縦を切り替え、鉄塔上の作業員に正確にロープを受け渡します。
- 使用機体:XYZ55(ペイロード55kgクラス)
- 延線経路:3径間(3月7日と20日の2回に分けて実施)
- フライト数:計3本
- 事前準備:現地下見+小型ドローンによるルート確認
- 運用体制:
- Aプロポ(離陸地点担当/記録・安全監視)
- Bプロポ(目的地側担当/安全監視)
- ロープ管理補助者1名
作業結果と評価ポイント
全体の作業は、準備から撤収まで半日程度で完了。
現場では法令を遵守し、第三者物件や道路横断に対しても万全の安全対策を講じました。
クライアントからは以下の点で高評価をいただいています:
- 安全第一の作業体制
- 緻密に練られた飛行計画とその資料化
- 現場との丁寧な連携・報告体制
また、今回の延線実績を通じて、資材運搬業務への関心も寄せていただいています。
まとめ:パイロットロープ延線におけるドローンの優位性
架線工事におけるパイロットロープ延線において、ドローンは迅速・安全・柔軟な対応を可能にします。
特に中山間地やアクセス困難な場所では、今後のスタンダードとしての定着が期待されます。
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PROFILE

株式会社ロジクトロン
代表取締役 野間智行
2001年 デザイン制作会社にグラフィックデザイナーとして入社
2007年 支社立ち上げの為、上海市に赴任(上海オフィス代表)
2009年 帰国後Web制作会社ディレクターを経て2016年に個人事業開業
2018年 個人事業を法人化し株式会社ロジクトロンを設立
2020年 ドローン事業開始
2023年 一等無人航空機操縦士技能証明を取得